ヘブンの写メ日記を他媒体に自動転記する方法|投稿方式が媒体ごとに違う
写メ日記の転記は、一見すると出勤情報より簡単に見えます。文章と画像をコピーして貼るだけだからです。ところが実際に組んでみると、媒体によって「投稿する入口」そのものが違うという壁に当たります。管理画面のフォームに入力する媒体もあれば、指定されたメールアドレスへメールを送ることで投稿される媒体もあります。この記事では、実際に複数媒体へ転記する仕組みを作る過程で分かったことを、つまずいた順に書いていきます。
写メ日記を他媒体にも載せる意味
写メ日記は、キャスト本人が書く唯一のコンテンツです。プロフィールも写真も店舗側が用意しますが、日記だけは本人の言葉で更新されます。お客様が指名を決める直前に見るのがここだ、という感覚を持っている店長は多いはずです。
それにもかかわらず、多くの店舗で日記はヘブンにしか載っていません。理由は単純で、手作業でやると転記の負担が一番大きいのが日記だからです。
出勤情報は1日1回まとめて入力すれば済みます。プロフィールは入店時に一度作ればしばらく変わりません。日記は違います。1人が1日に複数回書くこともあり、書かれるタイミングは予測できず、しかも画像が付きます。在籍20人の店舗で全員が1日1本書けば、それだけで20本です。これを5媒体に手で貼るなら100回の投稿作業になります。
他媒体の一覧からキャストのページに入ったお客様は、日記欄が空か、数週間前の日付で止まっているのを見ます。「この子はもう辞めているのかもしれない」「この店は動いていないのかもしれない」という印象になります。
載っていないことによる損失は目に見えないので、放置されやすい部分です。
投稿方式が媒体ごとに違う
ここが写メ日記の転記でいちばん想定外だった部分です。「日記を投稿する」という同じ目的なのに、媒体によってやり方の系統が違います。
方式1:管理画面のフォームに入力する
もっとも一般的な方式です。管理画面にログインし、対象のキャストを選び、タイトルと本文を入力し、画像を添付して送信します。人が手でやるときと同じ流れなので、仕組みとしても理解しやすい形です。
ただしフォームの構造は媒体ごとにばらばらです。タイトルの文字数上限が違う、画像の枚数制限が違う、下書き保存の有無が違う、投稿日時を指定できるかどうかも違います。「フォームに入れるだけ」という共通点はあっても、共通の作りにはできません。
方式2:専用のメールアドレスへメールを送る
媒体によっては、キャストごとに発行された専用のメールアドレス宛にメールを送ると、それが日記として投稿される仕組みになっています。件名がタイトル、本文が日記本文として反映されます。
もともとはガラケー時代に、キャストが自分の携帯から写メと文章を送って更新するために用意された導線です。その仕組みが今も残っている媒体があります。
この方式で厄介なのは、専用アドレスがキャストごとに個別で、しかも規則性がないことです。「店舗ID+キャストID」のような推測できる形ではなく、キャストごとにランダムな文字列が割り当てられているケースがあります。つまり、転記する対象のキャスト分だけ、管理画面の設定ページを開いてアドレスを読み取ってくる必要があります。
「全媒体とも管理画面に投稿すればいい」という前提で仕組みを設計すると、メール投稿方式の媒体に当たった時点で全体の作りを変えることになります。
導入を検討するときは、対象にしたい媒体それぞれが、どちらの方式なのかを先に確認してください。ここを最初に潰しておくと後の手戻りが減ります。
媒体が持っている「同時投稿」機能を使うべきか
媒体の中には、自分のところに投稿した日記を提携する別の媒体にも同時に流す機能を持っているものがあります。一見すると便利で、これを使えば転記の手間が減るように思えます。
私たちは、この機能をあえて使わない設計にしました。理由は店舗ごとに使う媒体を選べる状態を保ちたかったからです。
媒体側の同時投稿機能に乗ると、「A媒体に投稿するとB媒体にも出る」という関係が固定されます。B媒体には出したくない店舗が出てきたときに、その関係を切る手段が店舗側にありません。ヘブンから各媒体へ個別に転記する形にしておけば、使う媒体も使わない媒体も、店舗の判断で決められます。
手間は増えますが、後から効いてくるのはこちらだと考えています。
最初の1回で何をするかを決める
転記の仕組みを動かし始めるとき、必ず決めなければならないことがあります。すでにヘブンに溜まっている過去の日記を、どう扱うかです。
何も考えずに作ると、初回実行時に既存の日記が全部転記されます。在籍20人で過去半年分が溜まっていれば、数百本が一気に投稿されることになります。
これは2つの意味でまずい結果になります。ひとつは単純に量が多すぎて、媒体側にも負荷がかかること。もうひとつは、3か月前に書かれた日記が、今日の日付の新着として並ぶことです。お客様から見れば不自然ですし、日記の一覧が過去のもので埋まって、本当の最新が見えなくなります。
初回の実行では、その時点で存在する日記をすべて「転記済み」として記録するだけで、実際には投稿しません。2回目以降の実行から、新しく増えた日記だけを転記します。
過去分は他媒体には載りませんが、そもそも古い日記は読まれません。それよりも、今日から先が確実に揃っていることのほうが価値があると判断しました。
どうしても過去分を載せたい場合に備えて、期間を指定して一括転記する処理は別に用意してあります。既定では動かしません。
転記でつまずく5つの場所
1. 同じ日記を二重に投稿してしまう
定期的に巡回して新しい日記を探す仕組みにすると、必ず「これは前回すでに転記したか」を判定する必要が出てきます。判定を持たないと、巡回のたびに同じ日記が投稿され続けます。
日付や本文の一致で判定しようとすると、同じ日に似た内容が投稿されたときに誤判定します。ヘブン側の日記に付いている固有のIDを記録しておき、それで照合するのが確実です。
2. マイガール限定の日記が読めない
ヘブンには、マイガール登録した人にだけ公開される日記があります。この設定の日記は、外から本文を読むことができません。
転記の対象に含めようとしても中身が取れないので、限定公開の日記は転記対象から外すという判断が要ります。これは仕組みの限界ではなく、そもそも限定公開にした意図を尊重すべき部分でもあります。
3. 同じ人だと判定できない
ヘブンでの登録名と、他媒体での登録名が完全に一致しているとは限りません。全角と半角、スペースの有無、記号の違い、あるいは媒体ごとに違う源氏名を使っているケースもあります。
名前だけで突き合わせると、似た名前のキャストがいる店舗では取り違えが起きます。取り違えて別の人の日記を投稿するのは、単なる転記ミスでは済みません。導入時に一度、目視で対応表を作っておくのが結局いちばん確実です。
4. 画像の扱い
写メ日記の名前のとおり、日記には画像が付くのが普通です。ところが画像の扱いは媒体ごとに違います。枚数の上限、1枚あたりのサイズ上限、縦横比の扱い、対応している形式。
ヘブンに3枚付いている日記を、1枚しか受け付けない媒体にどう転記するか。先頭の1枚だけにするのか、投稿自体を見送るのかを決めておかないと、実行時にエラーで止まります。
5. 投稿できたかどうかを確認できない
フォームに送信して200が返ってきても、実際に日記が載っているとは限りません。バリデーションで弾かれた場合でも、エラーページを正常なレスポンスとして返す媒体があります。
送信した結果を記録し、後から「いつ、誰の、どの日記を、どの媒体に転記したか」を確認できる状態にしておいてください。「日記が載っていない」という問い合わせが来たときに、記録がなければ何も答えられません。
媒体ごとに書ける表現が違う
ここは仕組みの話ではなく、運用の話です。しかし転記を始めると必ず直面します。
ヘブンに投稿できた文章が、そのまま他媒体でも問題ないとは限りません。媒体によって、掲載できる表現の基準が違います。とくに行為を具体的に描写する表現は、媒体ごとに許容度に差があります。
手作業で転記していた頃は、貼るときに人が読んでいるので自然と気づきます。自動化するとその目が無くなり、そのまま流れていきます。
私たちはこれを、転記の処理で自動的に書き換える形にはしませんでした。本人の文章を機械が勝手に書き換えるのは、写メ日記という媒体の性質に合わないと考えたからです。
代わりに、投稿された日記を巡回してチェックし、該当しそうな表現が含まれていた場合に一覧へ書き出す仕組みを別に用意しました。店舗側がそれを見て、本人に直してもらうか、そのままにするかを判断します。直したかどうかは自動で再チェックされます。
機械が本文を書き換えると、本人が書いていない文章が本人の名前で載ることになります。伏字にするかどうかは店舗と本人が決めるべきことなので、仕組みの役割は「気づける状態にすること」までにしています。
この判断が正しいかどうかは店舗の運営方針によります。導入時に相談してください。
実現する3つの選択肢
選択肢A:手動で転記する
日記が投稿されるたびに、スタッフが各媒体の管理画面を開いて貼り付けます。仕組みへの投資はゼロですが、日記は発生タイミングが読めないため、まとめて処理するという逃げ道がありません。
結果として「気づいたときにやる」運用になり、忙しい日ほど抜けます。日記を書いた本人からすれば、書いたのに載っていない状態です。
選択肢B:自作する
媒体の管理画面を自動操作する仕組みを、自分たちで作る方法です。投稿方式が媒体ごとに違うため、媒体の数だけ別々の実装が必要になります。メール投稿方式の媒体があれば、そのためのメール送信処理も要ります。
加えて、二重投稿の防止、名前の対応付け、画像の扱い、実行結果の記録といった周辺の作りが必要です。日記の転記は「動くものを作る」までより、「動き続ける状態を保つ」ほうが手間がかかります。媒体側の管理画面は予告なく変わります。
選択肢C:専用サービスを使う
媒体連携に対応したサービスを契約する方法です。媒体側の仕様変更への追随を、提供側が引き受ける形になります。
検討する際は、写メ日記の転記が標準機能なのか、追加オプションなのかを確認してください。出勤情報の反映は標準でも、日記は別料金というサービスがあります。実装の手間が違うので、そうなるのには理由があります。
| 観点 | A 手動 | B 自作 | C 専用サービス |
| 投稿方式の違いへの対応 | 人が吸収する | 媒体ごとに実装 | 対応済み |
| 発生タイミングが読めない問題 | 抜けやすい | 影響なし | 影響なし |
| 二重投稿の防止 | 人の記憶頼み | 実装次第 | 仕様として担保 |
| 画像の制限差の吸収 | 人が判断 | 媒体ごとに実装 | 対応済み |
| 媒体の仕様変更への追随 | 該当なし | 自分で対応 | 提供側が対応 |
| 転記記録の確認 | 残らない | 実装次第 | 記録が残る |
導入前に決めておく3つのこと
1. 過去分をどうするか
今ヘブンに溜まっている日記を他媒体にも載せるのか、それとも今日から先だけにするのか。この判断は最初の1回でしか行えません。後から「やはり過去分も」となると、古い日付の日記が新着として大量に並ぶことになります。
2. 限定公開の日記の扱い
マイガール限定の日記を転記対象にするかどうかです。技術的に本文が取得できないという制約もありますが、限定公開にした意図をどう扱うかという運営判断でもあります。
3. 表現のチェックを誰がやるか
媒体ごとの表現基準に合わない文章が見つかったとき、誰が本人に伝えるのか。自動で書き換えるのか、気づける状態にとどめて人が判断するのか。ここを決めずに自動化すると、チェックする人がいない状態になります。
よくある質問
ヘブンで日記を消したら、他媒体からも消えますか
仕組みによります。転記は投稿を作る処理なので、削除まで追随するかどうかは別の実装になります。即ヒメとどけ隊では、ヘブンから他媒体への一方向の反映を原則としており、削除の自動追随は行っていません。他媒体側で消したい日記がある場合は個別にご相談ください。
画像も一緒に転記されますか
媒体が対応していれば転記されます。ただし枚数やサイズの上限が媒体ごとに違うため、ヘブンに複数枚付いている日記でも、媒体によっては一部だけの反映になることがあります。どう扱うかは導入時に決めます。
キャスト本人が他媒体にも直接投稿している場合はどうなりますか
本人の投稿と転記した分が両方並ぶことになります。転記を始める前に、他媒体への投稿は本人に止めてもらうか、あるいはそのキャストだけ転記対象から外すか、どちらかを決めてください。ここを決めないまま始めると、同じ内容が2本並びます。
投稿されてからどれくらいで反映されますか
即ヒメのようなリアルタイム性は必要ないと考えているため、日記は定期巡回で処理します。即ヒメとどけ隊では45分おきの巡回で扱っています。数分の差が売上を左右する情報ではないため、意図的にステータス系とは間隔を分けています。この考え方はヘブンの即ヒメ・接客中を他媒体と同期する方法で詳しく書いています。
ヘブン側のデータが書き換わることはありませんか
ありません。転記はヘブンから読み取って他媒体へ書き込む処理なので、ヘブンに対しては参照しか行いません。読み取り専用であれば、元のデータが壊れる心配は構造的にありません。
まとめ
写メ日記の転記は、作業としては単純に見えて、実際に組むと媒体ごとの差が最も大きく出る領域です。整理すると次のようになります。
- 投稿の入口が媒体ごとに違います。管理画面のフォームと、専用アドレスへのメール送信という2系統があります
- 過去分の扱いは最初の1回でしか決められません。既定では過去分を投稿せず、今日から先だけを転記するのが現実的です
- 二重投稿の防止には固有IDでの照合が要ります。日付や本文の一致では誤判定します
- 名前の対応付けは導入時に目視で確認してください。取り違えは単なる転記ミスでは済みません
- 媒体ごとに書ける表現が違います。自動化すると人の目が無くなるので、気づける仕組みを別に用意する必要があります
日記は、キャスト本人が時間をかけて書いたものです。書いたのに他媒体に載っていない状態は、本人にとっても店舗にとっても損失です。手作業で全媒体に貼り続けるのが難しいなら、仕組みで解くべき部分だと考えています。
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